2007 (著)瀬尾まいこ
裏表紙説明
佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。そして佐和子には、心の中で次第にその存在が大きくなるボーイフレンド大浦君がいて……。それぞれ切なさを抱えながら、つながり合い再生していく家族の姿を温かく描く。吉川英治文学新人賞受賞作。
切なさの分だけ家族はたしかにつながっていく。
感想(ネタバレあり)
最初の感想はこの本からしたかったです。大学に入学して最初に読んだ思い出の本。
「今日で父さんは父さんを辞めようと思う」
そんな一言で始まる。
主人公佐和子、普通の中学生。(物語開始時)
母さんは別居中(頻繁に帰ってくる)
兄さんは天才だが考え方が少し変。
一見家庭崩壊してるが幸せな家族に見えてしまう心温まる物語でした。
家族のルールで朝食はそろって食べるというのがあり、食事シーンの描写が素敵でした。
朝からステーキを食べるシーンもあり、主人公はウンザリしていたが・・・
成長期の主人公の戸惑い、成長、家族の再生を描いた物語。
終盤には佐和子の恋人、大浦君がアルバイトの新聞配達の際事故死してまいます。主人公は大浦君に事故寸前に会っており「がんばってね」と声をかけていました。
以下は僕の人生にもすごく大きな影響を与えたフレーズです。
あの時「がんばってね」ではなく「気をつけてね」となぜ声をかけなかったのだろう。そうすれば結果は変わっていたかもしれない。
この本と出会ってからは別れ際にはがんばっては使用せず、気をつけてねと声をかけるようになりました。
映画化もされている作品ですが、実写版は僕の好きな食事の描写が少なく残念に感じました。
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